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【Bプレミア】賛否両論を超えて面白い!外国籍フリーが生んだ群雄割拠、日本人スターと平日開催の新時代

2025年のレバンガ北海道の富永啓生、試合前の練習の様子

「外国籍選手が多すぎる」「日本人選手の出場機会が減るのではないか」。2026-27シーズンに始まったB.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)には、開幕前からさまざまな意見がありました。

その懸念は理解できます。日本のトップリーグなのに、コートに並ぶ選手の大半が海外出身になる場面もある。日本代表の強化という観点でも、簡単に答えの出せない議論です。

ただ、開幕から約1か月。実際の試合を振り返ると、別の事実も浮かびます。従来の勢力図が通用せず、下位と見られたクラブにも上位を倒す可能性がある。そして、その高水準の舞台で日本人選手の突出した才能がいっそう際立っている。

制度への賛否はあっても、バスケットボールそのものは面白い。本記事では、外国籍選手の新ルール、富山・滋賀・秋田の変化と千葉ジェッツの苦戦、新外国籍の実力、冨永啓生と新井楽人、そして平日開催の光と影を考えます。

本稿は2026年10月24日時点で公表された記録・チーム情報に基づく論考です。順位や戦績は試合消化数の違いに注意し、制度への評価・今後の展望は編集部の分析として記載します。

1.外国籍フリーが生んだ「どこが勝つか分からない」リーグ

Bプレミア最大の変更は、外国籍選手のオンザコート・フリーです。外国籍選手は最大3人、さらに帰化選手またはアジア特別枠選手1人を登録でき、条件を満たした最大4人が同時にコートへ立てます。登録人数が無制限になったのではなく、同時出場の人数制限を撤廃したのがポイントです。(B.LEAGUE公式)

この変化は、従来の「外国籍ビッグマンがベンチに下がる時間帯を狙う」という戦い方を変えました。サイズと得点力を備えた選手が複数並んだまま試合が進む。どのクラブも、フィジカルで圧倒する5人を40分間どう作るかが問われます。

もちろん、外国籍選手が増えれば自動的に戦力差が縮むわけではありません。選手獲得の予算、編成の精度、けが、チームの完成度は大きく異なります。ただ、これまで名前だけで勝敗を予想できた組み合わせでも、新しいロスター同士の相性次第で結果が揺れるようになったのは確かです。

富山は新戦力の力で「侮れない相手」に

象徴的なのが富山グラウジーズです。2025-26シーズンには連敗も多かったクラブですが、今季は外国籍と帰化・アジア特別枠の陣容を総入れ替えしました。開幕戦ではダラル・ウィリス・ジュニアが31得点、ブライアン・アンゴラが24得点。富山は信州に99-85で勝利し、初日から攻撃力を示しています。(富山テレビ)

さらに10月9日には東京サンロッカーズに96-90、21日には北海道に105-87で勝利。10月24日の順位表では5勝4敗です。かつての成績だけで弱いと決めつけられないチームになっています。

滋賀と秋田の存在も、リーグの予測を難しくする

滋賀レイクスは10月10日に広島と111-105の接戦を演じ、12日には信州を95-76、21日には神戸を92-80で下しました。特に無敗街道を走ってきた広島に6点差まで迫ったことは、勝敗表だけでは測れない競争力を示しています。

秋田ノーザンハピネッツも、11日に宇都宮ブレックスを82-71で破り、17日には信州に102-95で勝利。ただし、10月24日時点では3勝6敗です。秋田を「上位に躍進した」と書くのは正確ではありません。それでも、強豪を倒せる力と試合ごとの爆発力があることは、Bプレミアの面白さをよく表しています。

一方、常勝軍団のイメージがある千葉ジェッツは苦しいスタートです。21日の京都戦にも79-102で敗れ、同日時点の戦績は3勝7敗。ネイト・ウィリアムズが大爆発する試合がありながら、勝利が積み上がらない。スターの個人得点とチームの勝利が、必ずしも一致しない現実がそこにあります。

もちろん10試合前後の成績で優勝候補を消す必要はありません。ただ、開幕時点で「今年も千葉や宇都宮が勝つだろう」と一括りにはできない。群雄割拠とは、全クラブが同じ強さという意味ではなく、昨日までの序列が毎週のように試されることなのだと思います。

戦績参照:Bプレミア順位表(10月24日更新)、日別試合結果一覧。

2.新外国籍のレベルが高い。だから試合の質も上がる

オンザコート・フリーの評価は人数の議論になりがちですが、見逃したくないのは一人ひとりの外国籍選手の質です。今季のBプレミアには、フィジカルに優れたインサイドだけでなく、自ら得点を生み出せるウイング、パスまでこなせるビッグマンがそろっています。

アルバルク東京:オルブリッチ、ホグ、ジョンソンの新布陣

アルバルク東京は外国籍を一新し、ディー・ジェイ・ホグ、キヨンテ・ジョンソン、ラクラン・オルブリッチを迎えました。ホグのサイズと技術、ジョンソンの得点力、オルブリッチの機動力は、堅守に加えて攻撃テンポを上げたいチームの方針とよく合います。

オルブリッチは千葉との4度の延長戦で33得点、14リバウンド、6アシスト。208cmの選手が得点だけでなく周囲を生かせるのは、今のBプレミアを象徴する光景です。一方で負傷により10月5日からインジュアリーリストに登録されており、順調な戦力補強にもリスクがあります。(B.LEAGUE掲載記事)

富山:ブライアン・アンゴラという得点源

富山のブライアン・アンゴラは、今季の新戦力でも特に見ておきたい選手です。開幕戦の24得点・5アシストが示したのは、ボールを受けてシュートするだけでなく、自分で攻撃を作れるウイングの価値でした。

富山はウィリス・ジュニア、アミール・シムズ、アンゴラ、アジア特別枠のサーディ・ラベナらを加えて編成を刷新。過去の成績ではなく、誰をどの組み合わせで並べるかが問われるチームになりました。(富山の戦力展望)

千葉:ネイト・ウィリアムズ48得点でも、勝負は別

そして千葉ジェッツのネイト・ウィリアムズです。10月2日のA東京戦では、4度の延長戦の末に48得点を記録。公式プロフィールでも今季のキャリアハイとして確認できます。(選手公式成績)

これは外国籍選手の個人能力がもたらす興奮の分かりやすい例でしょう。しかし千葉の苦戦が示すように、48得点できる選手がいても、それだけで安定して勝てるわけではありません。リバウンド、トランジションの守備、残りの選手の役割がそろって初めて勝利になります。

外国籍選手のレベルが高いからこそ、「優秀な外国籍を集めれば勝てる」という単純な発想が通用しなくなっている。これも新リーグの魅力です。

3.その中で輝く日本人は、本当に特別だ

外国籍選手が同時に何人もコートへ立つなら、日本人選手の役割は減る。そんな懸念は当然あります。特にビッグマンや若手のプレータイム、代表強化への影響は継続して見ていく必要があるでしょう。

その一方で、外国籍選手と同じ強度の中で自分の武器を押し通せる日本人の価値は、今まで以上に分かりやすくなりました。今季、それを体現しているのが冨永啓生と新井楽人です。

冨永啓生:外国籍を含めて得点ランキングの頂点へ

レバンガ北海道の冨永啓生は、開幕4試合で平均30.5得点。9月26日の三河戦では41得点、10月3日の仙台戦では36得点を記録しました。B.LEAGUE掲載の日本人得点ランキング記事では、開幕4試合時点で外国籍を含めたリーグ全体でも得点首位に立っていたと報じられています。(10月6日付)

冨永が特別なのは、単に3ポイントを決めることではありません。ディフェンスが密着し、マークを外さないように動いても、素早いリリースでシュートを成立させること。チームが困ったときに相手の守備を動かせることです。

外国籍のサイズや身体能力が高まっても、自分のシュートで局面を変えられる日本人がいる。この光景は、日本人選手の未来にとっても希望があります。

レバンガ北海道の冨永啓生の資料写真(2025年撮影)
冨永啓生の資料写真(2025年撮影)。今季の試合を撮影した写真ではありません。出典・撮影者および再利用条件はメディア登録情報に基づく(CC BY-SA 4.0)。

新井楽人:ルーキーが千葉相手に33得点

横浜ビー・コルセアーズの新井楽人も、新時代の象徴的な存在です。日本大学からドラフト1巡目3位で加入したルーキーは、10月12日の千葉ジェッツ戦で33得点、3ポイント6本。横浜は延長戦の末、108-106で勝ちました。(B.LEAGUE掲載記事)

外国籍選手を何人も起用できるリーグで、日本人ルーキーが強豪相手に試合を決める。これはドラフト制度そのものに興味を持つきっかけにもなるでしょう。誰が次の主役になるのか、大学から入った選手がいつ壁を越えるのか。試合を見る理由が一つ増えました。

新井については「新井楽人33得点」特集記事でも詳しく紹介しています。

重要なのは、冨永や新井の活躍だけを見て「日本人選手の出場時間問題は解決した」と結論づけないことです。トップクラスの日本人が輝く一方で、そうでない若手の機会が限られる可能性もあります。スターの輝きと育成環境の整備は、別々に評価するべき課題です。

4.平日開催は難しい。でも、知らなかったチームを見る機会が増えた

もう一つ賛否の分かれる改革が、日程です。Bプレミアでは土日中心の開催から、平日の試合も大幅に増えました。リーグは露出拡大やアリーナ運営、選手のコンディションなどを理由に週末と平日のバランスを取る方針を掲げています。(B.LEAGUE公式)

これは簡単な変更ではありません。短い間隔で試合が続けば、選手の疲労回復と準備の時間が変わります。アウェーへの移動もあり、チームが一定のパフォーマンスを維持するのは難しくなるでしょう。平日の夜は、仕事や学校のあるファンが現地観戦へ行きにくい面もあります。

ただし、観戦する側には新しい可能性もあります。土日に応援するクラブの試合がない日でも、火曜や水曜の夜に別のクラブの試合を見る。 自分のチームしか追っていなかった人が、富山のアンゴラや横浜の新井、秋田の粘り強さを偶然知るようになります。

実際、10月21日の水曜開催では、富山が北海道に105-87、滋賀が神戸に92-80、京都が千葉に102-79で勝利するなど、各地で話題が生まれました。週末に一斉開催されると見逃しがちなカードにも、別の日に焦点が当たります。

逆に懸念したいのは、試合数が多いことと、ファンが楽しめることは同義ではないという点です。配信の見やすさ、情報の整理、ハイライトの充実、選手の疲労への配慮がなければ、平日開催が負担に変わってしまいます。

だからこそリーグとクラブには、試合を増やすだけでなく、新しく見始めた人が選手の名前と魅力を知れる仕組みを期待したいところです。

5.賛否は続く。それでも、Bプレミアはもう面白い

外国籍選手の起用自由化は、日本人選手の出場機会や代表強化を考えるうえで、これからも議論されるべきでしょう。収益力の差が編成に反映されること、過密日程が選手の身体に与える影響も、丁寧に検証する必要があります。

それでも、開幕約1か月のBプレミアには、確かにこれまでと違う熱があります。

富山は強豪相手に勝ち、滋賀は上位と接戦を演じ、秋田は宇都宮を倒しました。千葉はスターが48点取っても勝ち切れず、アルバルク東京は選手の入れ替えと負傷という難題を抱えながら上位を走っています。冨永啓生は海外選手を相手に大量得点を重ね、ルーキーの新井楽人は千葉を相手に33得点を奪いました。

外国籍選手が増えたことで日本人の価値が消えたのではなく、世界レベルの選手と同じコートで自分の武器を示す日本人が、より鮮烈に見える。 少なくとも、今季の開幕からはそんな一面が見えます。

制度の正しさは、1か月の結果だけでは判断できません。しかし試合の面白さは、すでに十分感じられる。賛否両論を超えて、Bプレミアは面白い。これからどんなチームが序列を壊し、誰が新しいスターになるのか。その答えを見るために、平日の夜もバスケットボールを追いかけたくなります。

関連情報・出典

※本記事は公開情報に基づく編集・分析記事です。特定クラブの内部情報や非公開の取材によるものではありません。データは2026年10月24日時点で確認できた範囲を使用しています。WORLD HOOPS LABはAmazonアソシエイトおよび楽天関連のアフィリエイトプログラムを利用しており、購入リンクを通じて報酬を得る場合があります。広告・アフィリエイトについて。