Bプレミア初年度を象徴するような試合が、早くも生まれました。
10月12日、横浜ビー・コルセアーズは千葉ジェッツにオーバータイムの末、108-106で勝利。その中心にいたのが、B.LEAGUE DRAFT 2026で1巡目3位指名を受けたルーキー、新井楽人です。
ベンチスタートながら29分49秒出場し、33得点。しかもFGは13/17、3ポイントは6/9。単純に「ルーキーが点を取った」というレベルではありません。
今回は、新井楽人の33得点がなぜすごかったのか。そして、この試合がBプレミアとBリーグドラフトの未来にとって何を意味するのかを考えます。
※スタッツは2026年10月12日の横浜BC vs 千葉J、B.LEAGUE公式記録に基づきます。

新井楽人33得点|まずスタッツが異常に効率的
- 29分49秒
- 33得点
- FG 13/17(76.5%)
- 2P 7/8(87.5%)
- 3P 6/9(66.7%)
- FT 1/1
- eFG% 94.1%
- TS% 94.6%
- 1スティール
- 1ターンオーバー
- EFF 28
まず注目したいのは33得点よりも効率です。
17本のフィールドゴール試投で33得点。3ポイントを6本決めながら、2ポイントも7/8。外だけ当たったのではなく、リング周辺でもほぼ落としていません。
特にTS%94.6%は、単なる高得点試合ではなく、限られたポゼッションを極めて高い効率で得点に変えたことを示しています。
しかもベンチスタート。試合開始から4分でコートに入り、流れを読んで得点を積み重ねました。
第4Qで10得点、OTでもシュートを外さなかった
この試合で最も価値が高かったのは、序盤に点を取ったことではありません。
勝負どころでも得点効率が落ちなかったことです。
第4クォーターで新井は10得点。さらにオーバータイムでも2本のフィールドゴールを決めています。
若手選手が勢いで前半に得点するケースは珍しくありません。しかし、相手が対策を変え、ゲームがタイトになり、1ポゼッションの価値が上がる終盤でもスコアリングを続けるのは別の能力です。
横浜BCは千葉Jに108-106。2点差のオーバータイムゲームでした。
その中でルーキーが33得点を取ったという事実は、数字以上に重いです。
新井楽人はどんな選手?|190cm・90kgのSG/SF
新井は2004年3月11日生まれ。190cm・90kgのSG/SFです。
日本大学ではインカレ優勝に貢献し、優秀選手賞も受賞。大学4年時にも関東大学リーグで優秀選手賞を獲得しました。
横浜BCは2026年1月のB.LEAGUE DRAFTで、新井を1巡目3位、全体3位で指名。その後、2026-27シーズンから2028-29シーズンまでの3年契約を結びました。
ドラフト時から評価されていたのは、単なるシュート力ではありません。
- ドライブでリングへ向かう力
- 190cm・90kgのフィジカル
- 複数ポジションを守れるディフェンス
- アウトサイドシュート
- トランジションでの身体能力
つまり、現代バスケットボールで価値の高い「サイズのある日本人ウイング」です。
なぜ33得点がBプレミアにとって重要なのか
新井の活躍を横浜BCだけのニュースとして見るのはもったいないと思います。
Bプレミアでは、2026年からB.LEAGUE DRAFTが本格的にリーグのチーム編成へ組み込まれました。
ドラフト制度が成功するためには、「ドラフトで取った若手が本当に試合に出て、勝敗へ影響を与える」という成功例が必要です。
新井はその最初の分かりやすいケースになりつつあります。
ドラフト1巡目3位の選手が、Bプレミアの序盤で千葉ジェッツ相手に33得点。
これが一度きりで終わらなければ、クラブ側にとっても「大学から若手を取って育てる」価値がさらに大きくなります。
ただし「33得点=完成したスター」ではない
ここは冷静に見たいところです。
新井の33得点は素晴らしかった一方、この試合でリバウンドは1、アシストは0。プラスマイナスは-5でした。
もちろんプラスマイナスを1試合だけで評価するべきではありません。
ただ、今後Bプレミアを代表するウイングになるためには、得点だけでなく、
- 守備で相手エースへどこまで対応できるか
- リバウンドへ継続的に参加できるか
- ドライブから味方へボールをつなげられるか
- シュートが入らない日でも価値を出せるか
という部分も重要になります。
この試合の3P成功率66.7%を毎試合続けることは現実的ではありません。
だからこそ次に見たいのは、シュートが平均へ戻った時でも15点、5リバウンド、3アシストのような形で試合へ影響できるかです。
横浜BCの4勝3敗にも意味がある
新井の活躍はチームの結果にもつながっています。
横浜BCは千葉J戦の勝利で4勝3敗。東地区ではA東京と群馬が6勝1敗で先行していますが、その後ろのグループに入っています。
横浜BCは今季、ラッシ・トゥオビHCのもとで新しいチームを作っています。
若手がローテーションの端ではなく、重要な時間帯で試合を決める存在になれば、シーズン後半の上積みはかなり大きくなります。
横浜は10月16日に琉球ゴールデンキングス、18日にレバンガ北海道とホームで対戦予定です。
千葉J戦で33得点を取ったことで、新井に対する相手のスカウティングは確実に変わります。
次の試合でどう守られ、その守備にどうアジャストするか。
そこが本当の意味での次のテストです。
千葉Jは2勝5敗|106得点しても勝てなかった
一方、千葉ジェッツはこれで2勝5敗。
横浜BC戦では富樫勇樹が20得点。チームとして106点を取っています。
それでも勝てませんでした。
開幕から続いている千葉Jの問題は、やはりオフェンスではなく守備です。
北海道戦では109得点、横浜戦では106得点。得点力は十分あります。
しかし横浜に108点を許し、しかもルーキーの新井に33得点。
優勝争いへ戻るには、「どれだけ点を取るか」以上に、相手のホットハンドを試合中にどう止めるかが重要になります。
新井楽人の次に見たい3ポイント
1|3Pが落ちた日の得点方法
千葉J戦は3P6/9。今後相手はクローズアウトを強くします。そこでドライブ、ポスト、フリースローをどこまで増やせるか。
2|プレーメイク
この試合は0アシストでした。スコアラーとして警戒された時、ヘルプディフェンスへ正しくパスを出せれば、さらに守りにくい選手になります。
3|ウイングディフェンス
190cm・90kgというサイズは大きな武器です。PGからウイングまで守れる選手になれば、日本代表レベルまで一気に価値が高まります。
まとめ|新井楽人33得点はBプレミアの未来を感じさせる試合だった
新井楽人の33得点は、ただのキャリアハイではありません。
29分49秒で33得点、FG13/17、3P6/9、TS94.6%。
B.LEAGUE DRAFT 2026で全体3位指名されたルーキーが、Bプレミアの強豪・千葉ジェッツを相手にオーバータイムの勝利へ大きく貢献しました。
もちろん1試合です。
それでも、若手がベンチから入り、終盤まで任され、試合を決める。こういう選手が増えることは、Bプレミアにとってかなり重要です。
次は琉球戦。
相手が新井を「ルーキー」ではなく、明確なスコアリングオプションとして準備してくる中で、どんなプレーを見せるのか。
33得点の次の試合こそ、新井楽人を見る一番面白いタイミングです。

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